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【プロスタッフ小森嗣彦 コラム】 vol.1「スーペリオCNフック」

 

 CNフックは通常テキサスリグなどで攻めるカバーの奥を、ワームの先端ではなくボディーにフックアイを持ってきたネコリグ(ワッキーリグ)で攻めるために開発した専用のフックだ。

 

カバーネコリグの有用性はまずカバーに対してタイトに、そして静かにプレゼンテーションできることが挙げられる、使用するのはだいたい細目のストレートワームなため、着水点を小さく抑えられるからだ。それからカバー奥のバスに長時間見せても飽きさせない、クネクネしたアクションでバスを誘えることにある。それはハイプレッシャー下や少しバスがナーバスになっている産卵前後や秋の水温低下時に、テキサスリグなどを落としても食わないとき、大きくアドバンテージをとることができる。
 

 しかし、このリグはそもそもの発想に対して、構造的な問題があった。ワームボディーにフックをセットすると、通常のフックではフックポイント隠すをことができないのだ。ネコリグが流行りだした2000年頃、すぐにカバーでの使用を思いつき試したが、既存のフックをどうやって使っても根がかりをうまく回避し、バイトに対してフッキングがスマートにいくものがなかった。フックを曲げてポイントを隠す形にしたりもしたが、曲げたフックでは強度がなく魚が外れてしまう。ガードを強化してもフッキング効率が落ちるだけだった。重たいネールシンカーが市場にあまりなかったことも手伝い、その頃はカバーネコリグの使用を諦めてしまっていた。

 

 昨今、さらなるフィールドのハイプレッシャー化に対応すべく、再びカバーネコリグが注目されてきている。

 

私のホームレイクの一つでもある千葉県亀山ダムでは、カバー撃ちはテキサスリグよりネコリグが定番化している。

2016年JBTOP50第1戦ゲーリーインターナショナルカップ早明浦ダム大会では、私はそのカバーネコリグで優勝を決めた。しかしそのゲームでは何度かのフックアウトがあり、その頃からカバーネコフックに対する形状のアイデアを形にしたいと強く思っていたのだった。その後、スーペリオフックの開発に携わる機会をいただき、このCNフックを私なりの強いこだわりで考案していった。

 

 このフック形状をはじめ、私の落書きのような絵で工場に持ち込んだとき、この形で魚がかかるのか?長年フックを作ってきた工場の方でも疑っていた。あらゆることを考えて思いついた形なので、とにかく作って試してみたい。そう思い上がってきたプロトタイプはテストの段階では圧倒的にかかった。

 

言っておくが100%ではない。カバー奥でアクション中に食ってくるバイトは仮にフックがむき出しでも100%はかからない。

 

それでも既存のそれまで使っていたフックより数段にキャッチ率が上がった。カバーでのネコリグの釣りは、かけることも大切だが、何よりも外れないことも大切である。

魚が暴れてカバーに衝突したり、ラインが何かに当たり支点が変わったときなど、やり取りの間にフックアウトしてしまうことがこれまで多々あり、今回はそれを改善することも大きなポイントであった。そのためややフッキングにはネガティブであるが、フックの先端とアイの間を必要最小限の隙間にし、フック先端からすぐにカエシを作り、その下のクランクから大きなフトコロに入るという形状にしてある。

 

マニアックな話をすると、このカエシの位置はフックつくりのセオリーから外れているという。それでもこのほうがバレにくいと確信して決行した。フックアイはわずかにオープンに設計し全体のバランスをとることでフッキング効率を上げた。

 

これが形状に関しては最後の仕上げだった。

 

ワームキーパーは収縮チューブを利用したアイデアで、これはとても使いやすい。カバーネコリグはとてもラインが撚れるのでアイにはスイベルを取り付けた。

 

こうして完成したスーペリオCNフックは発売を待たずして2018年BasserAllstarClassic優勝の原動力となった。

ゲーリーヤマモトのカリフォルニアロールというワームにフックサイズは#1/0。シンカーウエイト1/11ozのネコリグで二日間に8本のキーパーをキャッチした。
 

 

 このCNフックをカバーネコリグにセットする場合にポイントがある。

まず始めにサイズ感だが、フックをセットしたときのワームの太さと同じか、わずかに狭いくらいの隙間ができるサイズを選ぶことである。小さすぎるとフッキングが極端に落ちる。

それから必ずワームキーパーのチューブを使用してほしい。これがないとフッキングのときにワームが先に破損してしまい、フッキング効率が落ちる。

また同じ理由で根がかりも増えてしまう。それからワームにまっすぐさすことも重要だ。曲がって刺すとワームがフォール中に回ってしまい、糸が撚れやすくなるうえにフッキング効率も落ちる。最後にフックポイントだが、フッキングを考えて薄でもいいが、ポイントは必ず隠してほしい。
 

 続いてタックルセレクトだが、レイダウンやショアカバーを狙うときはMHロッドを選ぶ。力強いフッキングでもスイープでもフックアップしやすい構造だが、カバーはあくまでもカバータックルでラインも12ポンド以上で攻める。

そして至近距離になることが多いので力強いフッキングをお勧めする。ウィードやインビジブルのカバーを狙うときはMクラスのロッドでスイープにフッキングすることが私は多い。これはディスタンスの違いで、キャストを遠くまでしたときは瞬発的なフッキングはラインの伸びなどでパワーが軽減してしまう。なのでキャスティングで狙うウィードや沈みものの時はスイープに巻きながら合わせるようにしている。
 

 最後にカバーネコのアクションだが、スポットにルアーをプレゼンテーションしたらまずはボトムにつける。そしてボトムから離さないようにやさしいタッチで3~5秒シェイク、そして少し持ち上げて再び3~5秒シェイク。大きくリフトフォール、そして表層のカバー直下で3~5秒シェイク。このどこでバイトがあるか、傾向がつかめたらそこを重点的に攻めると釣果が伸びる。