REPORT

Studio100シンカーについて(バレットタイプ)

 
開発スタッフのWです。
発売から2年が経過したSTUDIO 100シンカーシリーズ。
この開発の経緯や特徴を各アイテムごとに解説していきます。

初回は「バレットタイプ」について

唐突ですが「バレットシンカー」と聞くと、皆さんは、ピストルの弾に似た円錐状の砲弾型をイメージすると思います。

過去を振り返り、私がバスフィッシングを始めた少年Wの頃(20数年前)、テキサスリグ用シンカーといえば砲弾型のシンカーしかお店には売っておらず(と言っても過言ではない)、尊敬して止まない故西山徹氏監修の本(確か釣りキチ三平が表紙)にも砲弾型がデカデカ載っていました。

もはや少年Wにとってテキサスシンカーというものは砲弾型(三角錐)しか頭には無く、他の形を使う発想もなければ使う気も無し。
良いか悪いかも判らず、ひたすら十数年延々と同じものを使い続けるという荒業をやって退けたのです。
皆さんのなかにも私と同じような事をされた方もいらっしゃるでしょう。

何が言いいたいかといいますと、錘、シンカーというものは一般的にそれ程こだわりを持たれないということです。

「あのワームがどうだ」とか「色がどうだ」とかは耳にしますが、シンカーに関してはせいぜい、重さくらいなもので、形状に関してああでもない、こうでもないと耳にしたことはほとんどないと思います。

そもそも、長いバスフィッシングの歴史の中で様々なシンカーが開発、使用され、淘汰されて生き残ったシンカーの形が、その円錐状の砲弾型だったのでしょう。ですから、テキサス「シンカー=砲弾型」のイメージも当然のことだと思います。

そして時代も進み、鉛以外にブラス、樹脂タングステン、タングステンと言った素材も登場し、シチュエーションでの使い分けをする人も現れたり、砲弾型以外にも丸型やナツメ型を使用する人も出てくるなど、ようやく変化の流れがやってきたのは7、8年前くらいからと記憶しています。

テキサスシンカーに求められる要素は重心の位置形状、そして素材が挙げられます。順を追って話しをしたいと思います。

◆重心◆
その前に、まずテキサスリグの簡単なおさらいをしてみたいと思います。
テキサスリグはライン、シンカー、フック、ルアーの3つでほぼ構成された仕掛けです。

キャスト後、シンカーが最初に水面もしくは、ストラクチャーに入り、次にワーム、最後にラインといった順番で水中に落ちて行きます。

シンカーの重心について

さらに、細かく見ていくと、シンカーはほぼ100%フック側の面aから落ちます。そして、ワーム、ラインの順番で水中に落ちて行きます。

このことが意味することは、シンカーの1番大事な部分はaだということです。aにシンカーの重心が来ることが大事なのです。

aに重心があることで、飛行姿勢も安定し、ラインに負担なく障害物に当たる、ようはタイトに攻め易くなるのです。

仮にbに重心がある場合ba→ワーム→ラインの順番に水中に落ちていきます。
落ちていく流れとすれば、一見この方が良さそうに思えますが、落ちるときの姿勢がラインに対してかなりの負荷を掛ける(シンカーとの接点が潰れたりもしくは内角としては90度以下)状態になるのです。
その為、やはりaの位置の重心がベストといえます。

次にテキサスリグの動かし方の一つ、ズル引きにおいてもやはり、bに重心があると、下へ、下へシンカーは行こうとして、下図のようになりやすく、やはりラインに負担を掛けることとなり、最悪の場合はラインブレイクの引き金となります。
ズル引きの際の重心

またbに重心があるシンカーに近いものでラバージグがありますが、ラバージグはラインアイを設けることでラインの負担を和らげる効果を生み出しています。テキサスリグの場合「aに重心がある」ことで必然的にbは軽くなり、ラインへの負担は軽くなります。

以上が、テキサスシンカーの重心の重要性の話です。

◆形状◆
キャストして着底後の状態ですが、一般的な砲弾型シンカーは円錐もしくはそれに近い形なので転がり易いのです。
ピンポイントで、ステイもしくはシェイク等々をしているつもりでも、着底後にシンカーが転がってしまい、自分が思っているポイントにリグはステイしていないこともあるのです。

「狙ったポイントに投入しているのに、水中のリグの場所がズレていた」

なんて事が現実に起こっているのです。

また形状が影響する大きな要素としてスリヌケの良さが挙げられます。
一口でスリヌケと言っても千差万別、様々な意見があるかと思いますが、やはり、円錐状は引っかかり易いのです。
どうしても先端が細いため、スタックし易く、且つ、先述のとおり転がり易い為、回収困難な根ガカリが発生するのです。

そこで円錐状の一番細いところを頂点とし、そこからの角度がより緩いことで、かなり、根ガカリを回避出来ます。
ただ、あまり角度を緩くしすぎると重心の問題が発生するのです。バランスが大事ですね

◆素材◆
これこそ時代背景は無視出来ません。
エコと叫ばれ、すっかり定着し知らない人はいないキーワードですね。
環境に負荷をかけない、釣り自体にストレスを感じさせない、この観点からやはりタングステンしかないのです。

少々お財布の負担は増えますけどね。
その分感度が上がるので、メリットは十分あるはずです。

この3つの観点から生まれた物が、スタジオ100オリジナルバレットシンカーなのです。
根掛かり回避能力の向上、ピンポイントでの転がりにくさ、感度の良さ、もちろんお値段を追及しつつも違和感のないデザインに仕上げました。

バスフィッシングに留まらず、ロックフィッシュでも愛用して頂いている方もいらっしゃるという嬉しいお声も頂いています。

皆さんも是非使って見て下さいね。オレンジのパッケージが目印です。
次はドロップ&ネイルシンカーのお話です。